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UPDATE | 2022年10月01日

日本の秋の行事とおいしい食べ物

季節はすっかり秋になりましたね。今回は、日本の秋のイベントや食べ物などを紹介したいと思います。日本独自のものもあれば、皆さんの国と同じものもあるかもしれません。ぜひ、比べながら読んでみてください。

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「いつの間にか暑い夏も終わり、季節はすっかり秋になりましたね。
日本では昔から「スポーツの秋」「読書の秋」そして「食欲の秋」と言われています。
過ごしやすい気候になり、運動や勉強、お出かけにもぴったりの季節です。
今回は「秋の味覚」とともに、日本の秋の行事を紹介したいと思います。


お月見(つきみ)

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旧暦(きゅうれき)の8月15日(新暦の9月中旬から下旬にかけて)に満月を眺めて楽しむ行事のことで、「十五夜(じゅうごや)」や「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」とも呼ばれています。平安時代(へいあんじだい)に中国から伝わり、貴族たちの間でお酒を飲みながら詩歌を楽しむ行事として広まりました。その後、江戸時代(えどじだい)には収穫に感謝する祭として月見が行われるようになったそうです。

ススキという植物は昔から魔除け効果があると信じられているため、お月見の時期に家の中に飾ることが多いです。

満月の形と似ていることから、お団子や里芋、ぶどうなどをお月見のお供え物として準備するようになりました。

古くから、月にはうさぎが住んでいると言い伝えられていて、昔話にもよく登場します。

近年はこのような月見の習慣はだんだんと薄れてきましたが、今でも和菓子屋さんやスーパーではいろいろな種類の月見団子が売られていて、手軽に月見を楽しむことができます。

また、ファストフード店で期間限定で販売される「月見バーガー」も人気があります。

お月見の習慣は時代とともに変わってきていますが、どんな形であれ、きれいな満月を楽しむという習慣はこれから先もずっと続いていってほしいです。


※暦(こよみ)について
日本では明治時代に暦を変更しており、現在、使っている暦を新暦、それ以前に使っていたものを旧暦と読んでいます。

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ハロウィン

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ここ数年で「日本の秋のイベント」として定着しつつあるのがハロウィンです。

欧米で行われている収穫祭としてのHalloweenとは違って、日本のハロウィンは仮装を楽しむことがメインです。

9月中旬ごろから街なかにはハロウィン関連の商品や仮装グッズが並び始め、一気に夏から秋モードに変わります。

10月31日のハロウィン当日、東京や大阪などの都市の中心地はとてもにぎやかになります。お店の中だけではなく、街中にコスプレ姿で交流を楽しむ若者達があふれ返っています。

最近では「ジャパニーズハロウィン」として海外でも紹介されていて、日本の新しい文化の1つとして広まっているようです。

私も以前は、友達とテーマを決めてコスプレをしてパーティーに出かけていました。普段は恥ずかしくてできないけれど、この日だけは別人になって楽しめる、というところがシャイな日本人の気質と上手くマッチしているのかもしれませんね。

日本は昔から海外のものを取り入れて、独自の文化に発展させてきました。今後、ハロウィンはクリスマスのようにさらに一般的な行事になっていくのではないでしょうか。


運動会、文化祭

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過ごしやすく安定した気候になることから、多くの学校では秋に運動会や文化祭が行われます。

運動会ではダンスやリレーなど様々な種目の競技が行われ、生徒達はこの日のために一生懸命練習をします。当日は父親、母親、おじいちゃんやおばあちゃんも一緒に家族みんなで学校に行き、手作りのお弁当を食べながら子ども達の応援をします。

文化祭では食べ物やゲームの出店、合唱や演劇の発表会、絵画などの展覧会などが学校で開かれます。クラスごとにどんなことをするか、テーマを決めてイチから自分達で作り上げます。私が学生時代に一番印象に残っているのは、高校生の時にクラスみんなでファッションショーを企画したことです。

大学の文化祭の場合、一般の人達も参加できるところが多く、本格的な出店や音楽ライブが開催されるなど、毎年多くの人でにぎわいます。

学校や大学の近くを歩くと、運動会のダンスの練習風景や合唱の歌声が聞こえてくるのも日本の秋ならではだと思います。


遠足

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日本の学校の秋の行事として「遠足」があります。学校の先生が引率して、みんなで一緒に目的地に出かけます。山登りや紅葉ハイキングを楽しんだり、農園を訪れて野菜や果物の収穫体験をしたりするのが一般的です。

私が好きだったのは芋掘りと、ぶどう狩りです。畑で実際に自分達の手で芋を掘ることで土の匂いを感じたり、食べ物や農家の方々に感謝する思いを持つことができます。自分で収穫した芋は持って帰ることができ、煮たり焼いたりてんぷらにしたり、いろいろな料理に使うことができます。

また、ぶどう狩りは子どもだけでなく大人のアクティビティとしても近年とても人気があります。巨峰(きょほう)やマスカットなど、いろいろな種類のぶどうが食べ放題のプランなどもあり、採れたてのぶどうが好きなだけ食べられるのが人気の理由です。

他にも、栗拾いや梨狩り、柿狩り、きのこ狩りなど、この時期ならではの新鮮な果物や野菜が味わえます。


代表的な秋の味覚

松茸(まつたけ)

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毎年秋になると食べたくなるのが松茸。キノコ類の一種ですが、栽培が非常に難しいため高級食材と言われています。香りがとてもいいのが特徴で、炭火で焼いたりご飯と一緒に炊いたりすると更においしい香りが広がります。


秋刀魚(さんま)

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秋にとれる刀の形をした魚、ということから「秋刀魚」と書くようになったと言われています。一匹丸ごと塩焼きにした秋刀魚におろした大根と醤油をかけて食べるのが定番で、昔から秋刀魚は秋の味覚の代表です。


白米(はくまい)

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その年の秋に収穫されたばかりの白米のことを「新米(しんまい)」と呼び、スーパーにはたくさんの種類が並びます。日本人にとってお米はなくてはならない存在ですが、なかでも秋の新米は特別です。炊きたてのご飯はどんなおかずにもよく合い、食欲がわいてきます。


いかがでしたか?

伝統的なものはもちろん、新しく取り入れられた行事や習慣も含めて「日本の秋」として楽しんでもらえたらと思います。

秋に日本を訪れる際には、秋の味覚を味わうとともに日本の生活や食文化にもぜひ触れてみてください。

この記事を書いた人

阪口裕子

大阪出身のフリーランス日本語教師兼ローカルガイド。2020年に京都の魅力にハマり、2021年に移住。現在はプライベートレッスンをメインに日本語を教える傍らライティングや中日翻訳校正、オンライン体験などを企画運営している。

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