●日本の「専門学校」の特徴
日本の専門学校には、国が設置をする「国立」、地方自治体などが設置する「公立」、学校法人または株式会社が設置する「私立」の3つの種類があります。日本の専門学校は、そのほとんどが私立の学校です。
修業年限は、原則2年間ですが、医療技術や看護などの専門的国家資格等を取得することが目的となる学校の場合は3~4年間となります。
また、高度な職業スキルの習得するための「高度専門士」の称号が取得できる課程では修業年限は4年以上となります。
専門学校は、正しくは「専修学校専門課程」という高等養育機関で、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的としています。具体的には、職業に直結する資格や技術を身につける教育を行っています。
日本の専門学校は、教育内容ごとに大きく8つの分野にわかれ、それぞれ下記のとおり分類されます。
分野 |
学問詳細 |
工業分野 |
建築・建設・自動車・機械・ロボット・電気・ゲーム・コンピュータ |
農業分野 |
農業・造園・フラワービジネス・バイオテクノロジー・生命工学・動物管理 |
医療分野 |
看護・理学療法・作業療法・リハビリテーション・歯科衛生・臨床検査 |
衛生分野 |
栄養・料理・製菓・製パン・理容・美容・メイク・エステ・ネイル |
教育・社会福祉分野 |
介護福祉・社会福祉・老人福祉・保育・幼児教育 |
商業実務分野 |
ビジネス・経営・簿記・会計・経理・貿易・旅行・観光・ホテル |
服飾・家政分野 |
ファッション・きもの・編物・手芸・スタイリスト |
文化・教養分野 |
まんが・アニメ・声優・音楽・デザイン・写真・通訳・ペット |
外国人留学生のみなさんが、日本の高等教育機関で学んだあと、そのまま日本で就職しやすいよう在留資格(ビザ)を緩和する傾向にはありますが、分野によっては、学びと直結する職業に該当する在留資格がまだない職業もあります。
進学先を決めるときには、技術や知識を身につけて自国で活躍をしたいのか、それとも日本で就職をしたいのか卒業後の働き方もイメージしておくとよいでしょう。
●専門学校卒業・修了のための条件
以下の条件を満たし卒業した者には、「専門士」または「高度専門士」の称号が付与されます。
|
専門士 |
高度専門士 |
就業年限 |
2年以上 |
4年以上 |
授業時間 |
1,700時間以上 |
3,400時間以上 |
修了認定 |
試験等により成績を評価し課程修了の認定を行う |
課程編成 |
- |
体系的に教育課程が編成されていること |
修了後 |
「専門士」を得た場合、大学編入学を認めている |
「高度専門士」を得た場合、大学院への入学資格を認めている |
学力試験や卒業制作以外にも、出席日数なども重視される傾向があります。
●専門学校への進学にかかる費用
下記の一覧表は、日本の専門学校の初年度納入金平均額(日本人学生)です。
初年度納入金額とは、一般的に入学金、授業料、施設・設備費などを含んだ入学する年にかかる費用で、ここに表示されている金額は奨学金などを適用する前の費用です。
専門学校ごとに、各種奨学金や学費の減免制度(授業料の30%~全額程度)など日本での学費負担をサポートする制度もありますので、詳しくは各学校のウェブサイトを確認するか、志望の専門学校に問い合わせてください。
私立 |
工業分野 |
¥1,262,667 |
農業分野 |
¥1,221,000 |
医療分野 |
¥1,372,143 |
衛生分野 |
¥1,487,250 |
教育・社会福祉分野 |
¥1,159,500 |
商業実務分野 |
¥1,142,972 |
服飾・家政分野 |
¥1,042,000 |
文化・教養分野 |
¥1,142,667 |
出典:文部科学省/JASSO(2018-2019 Student Guide to Japanより)
これらの初年度納入金以外に、出願の時にかかる入学検定料、海外から日本に受験をしにくる場合には渡航費と滞在費、入学する専門学校のそばで生活をするようであれば引っ越しや入居のための費用などがかかってきます。
奨学金によってはこれらに利用できないものもありますので、学校に収める金額以外にもいつ何にどれくらいの費用がかかるのか、費用のサポート制度はいつどれくらい使えるのかを調べておくとよいでしょう。
また、大学や短期大学との併願を認めている学校も増えています。
大学や短期大学の合格発表を待ってから入学手続きや入学金などの納入ができる場合もありますので、支払い期限などは必ず確認しておくようにしましょう。
>「奨学金」について調べる
■この記事を読んだ人におすすめ
【受験ガイド】留学生を受け入れている日本の高等教育機関