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日本の大学院には、学校によって設置している課程は異なりますが、「修士課程」「博士課程」「専門職学位課程(修士課程)」の3つの種類があります。その多くが4月入学の大学院ですが、一部9月~10月入学の大学院もあります。
日本の大学院で特徴的なのは「博士課程」の区分です。
5年間一貫制の学校と、2年間の「博士課程(前期)」と3年間の「博士課程(後期)」に分かれている区分制の学校があります。日本の大学院の場合、一貫制博士課程をもつ学校は少なく、多くは区分制の学校です。もし、「博士課程(前期)」のみで修了した場合には、修士課程修了とみなします。
「専門職学位課程(修士課程)」は、高度な専門能力を備え、社会・経済の各分野でリーダーとなって活躍できる職業人の養成を目指す教育課程です。
専門職学位課程(修士課程)の取得に特化した研究を行う場として、「専門職大学院」があり、代表的なものとしては、法律に関する職業人を養成する法科大学院、教員養成の教職大学院。その他にも経営、会計、MOT(Management of Technology)、公共政策、公衆衛生、知的財産、臨床心理などの分野の専門職大学院があります。
さらに、日本の大学院には、非正規の学生でありながら大学院で聴講ができる「研究生(留学研究生)」という制度があります。
研究生は、学位の取得を目的とせず短期間の研究活動のために在籍をしている者、大学間交流協定に基づく短期留学生として在籍している者、大学院正規過程の入学への準備機関として在籍している者のいずれかで、書類選考だけで入学許可を得ることができる学校が多くあります。
大学院によっては、大学院正規過程へ進学する前に、研究生の過程を経ることが望ましいとしている大学院もあります。研究生として「留学」の在留資格(ビザ)を得るためには、1週間につき10時間以上の聴講をすることが必要です。
その他、特定の科目を履修して単位を取得することができる「科目等履修生」、特定の科目は聴講できますが単位の取得はできない「聴講生」という制度を設けている学校もあります。
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入学する大学院や課程により異なります。各大学院に問い合わせ、確認をするようにしてください。
修業年限 | 取得単位 | その他 | 取得学位 | |
---|---|---|---|---|
修士課程 | 標準2年 | 30単位以上 | 修士論文の審査および試験に合格 | 修士 |
専門職学位課程 (修士課程) |
2~3年以上 | 30単位以上 (大学院により異なる) |
- | 修士 (専門職) |
博士課程 | 標準5年 | 30単位以上 | 博士論文の審査おおよび試験に合格 | 博士 |
下記の一覧表は、日本の大学院の初年度納入金平均額(日本人学生)です。
初年度納入金額とは、一般的に入学金、授業料、施設・設備費などを含んだ入学する年にかかる費用で、ここに表示されている金額は奨学金などを適用する前の費用です。
■修士課程
国立 | ¥817,800 | |
---|---|---|
公立 | ¥901,603 | |
私立 | 芸術 | ¥1,418,466 |
工学 | ¥1,179,083 | |
保健 | ¥1,128,053 | |
理学 | ¥1,069,686 | |
農学・獣医学 | ¥1,016,628 | |
薬学 | ¥1,026,211 | |
家政 | ¥964,087 | |
教養 | ¥939,167 | |
社会科学 | ¥919,398 | |
人文科学 | ¥852,526 | |
医学 | ¥867,683 |
■博士課程
国立 | ¥817,800 | |
---|---|---|
公立 | ¥901,603 | |
私立 | 芸術 | ¥1,304,179 |
工学 | ¥1,002,508 | |
保健 | ¥1,046,670 | |
理学 | ¥990,668 | |
農学・獣医学 | ¥1,017,207 | |
薬学 | ¥897,208 | |
家政 | ¥961,218 | |
教養 | ¥901,551 | |
社会科学 | ¥821,148 | |
人文科学 | ¥799,788 | |
医学 | ¥699,625 |
出典:文部科学省/JASSO(2018-2019 Student Guide to Japanより)
これらの初年度納入金以外に、出願の時にかかる入学検定料、海外から日本に受験をしにくる場合には渡航費と滞在費、入学する大学院のそばで生活をするようであれば引っ越しや入居のための費用などがかかってきます。
とてもたくさんの費用がかかるように見えますが、日本学生支援機構(JASSO)をはじめ、地方自治体、各種団体、入学した大学院による、各種奨学金や学費の減免制度(授業料の30%~全額程度)など日本での学費負担をサポートする制度もありますので、詳しくは各学校のウェブサイトを確認するか、志望の大学院に問い合わせてください。
奨学金の種類によっては、入学後から支給されるものもあります。学校に収める金額以外にも、いつ何にどれくらいの費用がかかるのか、申し込んだサポート制度がいつからどんな目的に使えるのか、調べておくとよいでしょう。
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