先輩Profile
法学部 法律学科 4年
ソウ ジョケイさん(中国出身)
両親とも日本に留学経験があって、子どもの頃から日本での話をよくしてくれました。両親は、日本で知り合った友人たちに、いろいろ迷惑をかけたそうですが、ビザ取得を助けてくれるなど、親切で礼儀正しくルールをよく守る人たちだと言っていました。二人の結婚披露宴では、留学時代にお世話になった日本人の先輩から母に贈り物が届いて「うれしかった」と話してくれたことを思い出します。いまも両親は日系企業に勤めていて、私にとって日本はずっと憧れの存在でした。
留学先を決めるとき、中国ではアメリカやヨーロッパを選ぶ友だちが多かったのですが、自分はそんなに外向的な性格ではなかったので、アメリカやヨーロッパの文化は合わないと思ったのです。日本は、憧れの国だったのはもちろん、落ち着いて行動する日本人の国民性が私に合っている気がして、日本で学ぶのが一番いいのではと思いました。
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明治大学は、MARCH(東京の有名難関私立5大学の総称)のなかでも一番上の私立大学として中国でも有名でした。また、私は法学部に進学したかったので明治法律学校から大学になったという歴史を知って、この大学なら法律の分野を専門的に学べるのではないかと思って進学を決めました。
明治大学の法学部を選んだのは、私は昔から正義感がある方だと感じていたからです。その点、法律は日常生活では人を守りますし、企業の活動でも法律とルールを守らないといけません。そんな法律の知識を身に付けることが、自分にとっても大切だと思えたのです。
進学するときは「ビジネスローコース」にも関心がありましたが、「国際関係法コース」を選びました。国際関係法コースは、中国法やアメリカ法、比較法学などが選択科目になっていたため、国際的な分野の授業に関心をもっていた私にあっていると思いました。また、中国出身で日本の大学に留学した、私自身のグローバル性も活かせると思っていました。
本当に仲のよい友だちや先輩と出会えたことが一番よかったです。ゼミなどの活動でも、本当に意気投合していい時間を過ごしています。そんな明大生の一番の魅力は、個性的な人が揃っていることです。たとえば英語のサークルでも、英会話とかスピーチなど、いくつかのサークルが活動しています。既に同じようなサークルがあっても、自分がやりたいテーマで新たにサークルをつくるところが個性的だなって思います。新入生は自分に合ったサークルを探しやすいですね。
2年生のときに国際公法の授業を取ったのですが、なかなか理解できませんでした。そのとき私が助けてもらったのが「法学部学習支援室」です。大学院生の先輩がTA(Teaching Assistant)として勉強の相談に応えてくれるので、頼れる存在でした。私は、記述式問題の書き方を教えてもらったり、レポートの添削もお願いしたり、常連のように通って不安をなくすことができました。
4年生になってとった必修科目の国際私法と国際関係法です。両方とも難しい授業だったのですが、国と国との間で起きている対立など国際的な問題に関して、自分でもいろいろ調べることで勉強になりました。国際問題が身近になることによって、政治システムの変化が今後の自分の進路とどうつながって変化していくのだろうかと、改めて将来を見つめ直すきっかけになりました。
犯罪学のゼミに入っています。昔から刑事問題に興味があって、犯罪について学んでみたかったのです。また、犯罪学と関わる社会学や心理学は国際政治を考えるときにも必要なので、いろんな視野から自分の知識を豊かにできると思いました。研究のテーマは、犯罪率と地域の関係です。東京に比べてアメリカの犯罪率が高いのは、社会づくりとどのように関連しているのか。そんなテーマを、学説や理論を勉強しながら分析しています。
住まいも明治大学の近くなので、神保町の古本屋街を見て回るのが楽しいです。また、この街はカレーでも有名ですが、大学の近くにおすすめのお店があります。カレーは中国でも食べていましたが、神保町はインドや東南アジアなど日本以外のいろんな国のカレーが食べられていいですね。私はパキスタンのスパイスたっぷりのカレーが好きです。お友だちと一緒に食べることもありますよ。
犯罪学のゼミは19人で留学生は私一人なのですが、みんな真面目で落ち着きがあって、成績も優秀な人が多いです。いろんな勉強法や期末試験対策を教えてくれるので、私の成績アップにもつながっています。
ゼミがスタートした3年生の時は緊張していて、同じ班の人とディスカッションするときも、自分の考えをうまく伝えられませんでした。発表は二人ペアで進めるのですが、最初に私と組んだ学生はそんな私の思いを細かく聞いてくれました。最終的に日本人が普通に話すレベルの内容にまとめてくれて、発表まで手伝ってくれたので助かりました。
4年生になってから、ゼミの後でみんなとご飯を食べに行くことが多いのですが、くだけた雰囲気のなかで日本人と留学生との間にある壁がなくなる気がして、リラックスしてしゃべることができます。
自分はどちらかと言うと内向的な性格なのですが、4年生になったころから一歩踏み込んで積極的に、周りのゼミ生や同じ授業をとっている学生に声をかけるようになりました。この気持ちは大切だと思います。ランチタイムに国際交流ラウンジで、いろんな交流イベントがあるのですが、学生同士が日本語で気軽にトークする「ゆるっと日本語カフェ」では、一回参加しただけで同じ留学生の友だちができました。
サークルは、1年生のときにSTEP英語会と(観衆を前に意見・企画を述べたりディベートを行う)雄弁部に入部しました。自分に合うかどうか分からなくても、まず興味のあるサークルに参加してメンバーと仲よくなればいいと思います。私は雄弁部を退部したのですが、そのときの友人関係はいまも続いていて今日もお昼ご飯を一緒に食べたんですよ。
一番大変だったのは、私自身の心のコントロールでした。中国の大学は9月入学で、中国の友人が大学生活を始めていたころ、私は日本で初めての一人暮らしをしながら受験勉強をしていたため、焦っていました。結局その焦りを乗り越えるためには、勉強に集中するしかありませんでした。「今年落ちたら、もう1年遅れる」みたいな不安もあったのですが、それを原動力にできた感じです。
日本の生活に慣れるにも時間がかかりましたが、母から送ってもらった中国のお菓子にすごく癒されました。また、両親と頻繁に連絡を取り合って話した時間が、やすらぎにつながったと思っています。
日本語はまだまだ勉強中ですが、入学前に私がよくやっていた学習法は、あるテーマについて自分なりに日本語で書いた後、同じテーマで書かれた日本の新聞やニュースの記事を、正しい日本語の参考にもう一度読んで、自分で書いた文章を書き直すやり方です。この方法は、記憶に残りやすかったです。友人から教えてもらった方法は、興味のある日本の本や漫画を読むことで、これもおすすめできます。
明治大学の受験では、日本語で法律の専門書を読んだ経験が役立ちました。志望理由書では、法律問題をどう考えるかを書くために、明治大学の先生が書かれた本が参考になりましたし、面接でも、法律に関する専門的な質問をされますので、興味のある分野を予習しておくとよいと思います。
最初は卒業したら企業に入って一生暮らそう、と思っていたのですが、「国際関係法コース」で国際問題が身近になることによって、よりグローバルな進路を考えるようになりました。
私が進路を考えるうえで相談に乗ってくださったのが、法学部長でもあるゼミの上野正雄教授です。人脈も広く多くの情報を持っているので、進路に関する情報やボランティアのことまで紹介していただき、貴重な意見をもらいました。ICJ(国際刑事裁判所)など国際機関への就職に興味をもち始めたのも上野先生のおかげです。
上野先生の「もっと頑張って自分の可能性を活かそう」という言葉にも刺激を受け、好きな法律をさらに学ぶためにアメリカのロースクールへの進学を決めました。
1年生の夏休みに3週間、ケンブリッジ大学のGeneral Course(当時)で学びました。イギリスでの生活が楽しかったので、イギリスのローコース進学を考えましたが、やはり法律ではアメリカが最も先進的なので、いまはアメリカのロースクール入学試験合格を目指して勉強中です。
英語はIELTSのスコア8.0を目指しています。勉強時間は日によって変わりますが毎日8時間くらいです。今日も6時に起きてインタビュー前までずっと大学内のラウンジで勉強していました。
積極的に一歩踏み出して、みなさんの潜在的な力を発見してほしいです。自分ができると思っているレベルよりも、きっとそれ以上にできるはずだから。明治大学はそんなみなさんの思いを受け入れてくれるはずです。
(取材・撮影:2022年6月29日)
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