●やさしい日本語のメリットとデメリット
「誰にでもわかりやすい」が最大のメリット
やさしい日本語の最大のメリットは、誰にでもわかりやすいこと。
難しい表現がなくなることで、緊急時や難しい手続きに関する案内も多くの人へスピーディーに情報提供ができます。
特に、教育機関や自治体、ライフラインを担う企業は、外国人を意識した情報発信をする必要があります。しかし、外国人向けに新たなコンテンツを制作するとなると人的リソースの限界もあります。
事例でもお伝えしたとおり、日本に在住している外国人の場合、簡単な日本語であれば理解できる人も多くいます。母国語にとらわれることなく、できるだけ多くの人に情報を伝えるためにもやさしい日本語は役にたつのです。
85%の外国人留学生がやさしい日本語は「わかりやすい」と回答
アクセス日本留学を運営している株式会社アクセスネクステージとパートナーシップ連携をしているアルファサード株式会社の共同で実施をした留学生対象のアンケート調査を実施しました。
自然災害などの情報について、やさしい日本語と原文を複数比較したところ、いずれの質問も85%前後の留学生が、とてもわかりやすくなった・わかりやすくなったと回答しました。
この調査結果からもわかるように、日本語学習中の外国人にとって、やさしい日本語はより伝わりやすい言葉だということが判明しました。
https://alfasado.net/news/202011181053.html
デメリットは変換の明確な基準がないこと
やさしい日本語に関するガイドラインが、地方自治体をはじめさまざまなところで公開されています。
≪やさしい日本語に変換するためのポイントは大きく3つ≫
- ・一文を短くする
- ・ふりがなをつける
- ・難しい言葉を簡単な言葉にする
およその目安として日本語能力試験N3~N4レベルの言葉、小学校3年生程度の文法ともいわれていますが、実は、明確な基準がありません。相手の日本語能力レベルに沿って適切に伝えるという考えが根底にあるため、いずれのガイドラインも、変換のためのポイント紹介にとどめられています。
自治体によっては、災害や行政に関する言葉は言い換えリストが用意されているケースもありますが、それ以外の情報を自由に伝えたい場合にどのように変換したらよいかわからないという方も多いかもしれません。
そうした際に、先ほど紹介した「やさしい日本語変換ツール」の利用は有効です。
伝える相手がもつ文化や環境にも配慮しながら、やさしい気持ちでやさしい日本語を活用していきたいですね。