関西地方には2つの「府」と4つの「県」、合計6つの行政区があります。
ちなみに、なぜ「府」と「県」違った言い方をするかと言うと、今から150年ほど前、明治政府が日本の経済や政治において重要な地域を「府」、それ以外を「県」と定めたからです。
商業の中心である大阪と、かつての都である京都は「府」、そして現在の首都である東京には「都」が使われています。
関西地方は日本の本州の中西部に位置し、総人口は約2,000万人ほどと言われています。北部は日本海に面しているため冬は雪がたくさん降り、寒暖差が大きいです。また、太平洋側の南部の地域は夏は比較的穏やかな気候ですが、秋は台風の影響を受けやすく冬は寒さが厳しいところもあります。
昔から関西地方は西から東、東から西へと商売人達が行き交う場所ということもあり、関西には商売上手な人が多いと言われています。そのためか、関西人はおしゃべりで社交的な人が多いというイメージがあります。
また、関西で話されている方言を「関西弁」と言い、地域によって少し違いはあるものの独特のアクセントとテンポのいい話し方が特徴です。
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関西の経済と交通の中心である大阪には約900万人が住んでいます。昔から現在まで、大阪は商売の街としてよく知られています。また、独自の食文化やエンターテイメントが発展し「食い倒れ(お金がなくなるまで飲食にお金を使う)の街」と言われるようになり、漫才などのお笑い文化も生まれました。
中心地は「キタ」とよばれる梅田(うめだ)エリアと「ミナミ」と呼ばれる難波(なんば)エリアに分かれていて、買い物やおしゃれなお店で食事をするならキタ、居酒屋やバーなどナイトライフを楽しむならミナミ、と使い分けている地元の人達が多いです。
豊臣秀吉(とよとみひでよし)が建てたと言われている大阪城は必見です。ふぐやウニ、ホタテなど新鮮な海鮮が味わえる黒門市場(くろもんいちば)を散策して、心斎橋筋(しんさいばしすじ)商店街でおみやげを買って、道頓堀(どうとんぼり)の橋の上でグリコの看板をバックに写真を撮る、というのが大阪観光の定番です。
1,000年以上日本の都として栄え続けてきた歴史と伝統の街、京都。明治維新(めいじいしん)後、首都機能は東京に移りましたが、京都の独自の文化は地元の人達によって長い間守られ続け、次世代へと受け継がれています。
大阪と滋賀の間に位置する京都には約250万人が住んでいます。京都の中心を流れる鴨川は四季の移り変わりが感じられる癒しスポットで、地元の人にも京都を訪れる人達にも大人気です。文化遺産に指定されている建造物も多く、お寺や神社巡りはもちろんのこと、細い路地裏をブラブラ歩くだけでも京都らしい風情が感じられます。
また、意外かもしれませんが、京都では昔からコーヒーやパンなど洋食文化が根付いています。街中を歩くとレトロな喫茶店やおしゃれなカフェ、地元の人達でにぎわうパン屋さんなどがたくさん見つかります。着物を着て、お茶屋さんで抹茶と和菓子を頂くのも粋な京都の楽しみ方です。
大阪と京都に隣接する奈良には現在約130万人が住んでいます。奈良の歴史も京都同様とても古く、かつては日本の首都だった時代もありました。有名なのは710年に建てられた「平城京(へいじょうきょう)」で、今でもその跡地を見学することができます。
奈良といえば、やはり鹿の印象が強いのではないでしょうか。どうして奈良にたくさん鹿がいるかというと、奈良にある春日大社という有名な神社で古くから鹿は神の使いとして手厚く保護されてきたからだと言われています。道路には「鹿に注意」というサインもあるほど、奈良は鹿と共に生きている街なのです。
世界遺産に登録されている「東大寺(とうだいじ)」や奈良の景色が見渡せる奈良公園(ならこうえん)など、歩いて回れる範囲に見どころがたくさんあります。
また、「ならまち」という歴史的街並みを散策したり、五重の塔を眺めながら猿沢池(さるさわいけ)で一息つくのもおすすめです。
兵庫県の人口は約550万人で、特に兵庫の経済の中心である「神戸(こうべ)」に人口が集中しています。神戸には山と海があり、昔から港町として貿易産業で発展してきました。また、ファッションの街としても有名で、中心地にはおしゃれなブランドショップが立ち並んでいます。
神戸と言えば夜景を思い浮かべる人も多く、ドライブデートの定番スポットとして人気があります。港にある神戸タワーからはもちろん、六甲山(ろっこうさん)の頂上から眺める夜景も最高です。六甲山にはハイキングコースがたくさんあり、老若男女を問わず人気の登山スポットです。
また、兵庫の北側には雪山が連なっていて冬場はスキー場がオープンします。大阪からも車で行きやすいので毎年スキーやスノーボードを楽しむ人達でにぎわいます。
関西地方の北東に位置する滋賀県には約140万人が住んでいます。県の面積の6分の1を占める「琵琶湖(びわこ)」が有名で、滋賀県民だけでなく京都府民や大阪府民の生活にもなくてはならない貴重な水源です。
実は琵琶湖は日本で一番大きな湖なのですが、車や自転車で一周することもできます。毎年夏になると、泳いだり、釣りをしたり、キャンプを楽しむ人達でにぎわっています。冬には琵琶湖付近の山に雪が積もるため、ウィンタースポーツも楽しめます。
街歩きが好きな方には彦根城(ひこねじょう)や近江八幡(おうみはちまん)などの城下町散策もおすすめです。石垣の水路など伝統的な建造物が地元の人達によって今も保存されているので、街を歩きながら歴史を感じることができます。
大阪府の南にあり、太平洋に面している和歌山県の人口は約95万人です。関西国際空港からのアクセスが非常に便利なため、近年和歌山を訪れる外国人観光客の数が増えてきています。
和歌山の魅力は、何と言っても綺麗な海と豊富な海の幸です。毎年多くの人達が白浜(しらはま)海水浴場を訪れ、マリンスポーツや天然温泉を楽しんでいます。海で泳いだ後は「とれとれ市場」で新鮮な海鮮を味わうのも楽しみの一つです。お値段もリーズナブルなので一日中お客さんが途切れることなく訪れます。
また、和歌山には海だけではなく大自然が満喫できる登山道もたくさんあります。中でも有名なのが1000年以上の歴史がある熊野古道(くまのこどう)で、世界遺産に登録されています。長い山道を登った先には「那智(なち)の滝」と呼ばれる滝があり、迫力満点です。
和歌山名物のみかんを使ったスイーツや飲み物、醤油ベースの和歌山ラーメンもお忘れなく。
いかがでしたか?
エリアによって違った顔を持つ魅力たっぷりの関西。観光で訪れた際にはぜひゆっくりと関西のいろいろなところを楽しんでくださいね。
大阪出身のフリーランス日本語教師兼ローカルガイド。2020年に京都の魅力にハマり、2021年に移住。現在はプライベートレッスンをメインに日本語を教える傍らライティングや中日翻訳校正、オンライン体験などを企画運営している。
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