UPDATE | 2022年04月01日
「日本の山」と聞いて、何をイメージしますか? やっぱり「富士山」ですよね。今回は富士山の登山情報や日本人の山岳信仰(さんがくしんこう)、おすすめの絶景スポットなどを紹介したいと思います。
「日本の山」と聞いて、何をイメージしますか?
やっぱり「富士山」ですよね。
新幹線に乗った時に見たことがあるという人は多いかもしれませんが、実際に登ったことがある人は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は富士山の登山情報や日本人の山岳信仰(さんがくしんこう)、おすすめの絶景スポットなどを紹介したいと思います。
まずは、富士山の基本情報をチェックしましょう。
富士山は静岡県と山梨県の間にある山で、高さは3776メートルです。
日本で一番高い山であるとともに、人々に信仰され芸術性が高いことから2013年に世界文化遺産に登録されました。
山頂には一年中雪が積もり、うっすらと雲がかかっている穏やかな姿が印象的ですが、実は富士山は火山なんです。
現在の末広がりの美しい姿は、富士山が過去に何度も噴火して溶岩などが何重にも重なってできた「自然の芸術」なのです。
最後に噴火があった1700年から現在まで約300年間、活発な火山活動は確認されていません。
また、富士山の地下水や木材などの豊富な資源は周辺で暮らす人達によって農業や工業に利用されてきました。
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山頂には噴火をしずめるために神社がまつられ、信仰する人達がお参りのために富士山に登るようになりました。
現在は宗教信仰として登る人は少なくなりましたが、人気のパワースポットとして日本全国から登山客が訪れています。
山を神聖なものとして崇拝(すうはい)する信仰のことを山岳信仰(さんがくしんこう)と言います。
日本は国土の7割を山が占めていることもあり、昔から日本人にとって「山」は亡くなった人の魂がのぼっていく場所であり、人間界とは切り離された神聖な場所と言い伝えられ、信仰の対象とされてきました。
山岳信仰は世界各地の山岳地帯で多く見られますが、日本では神道や仏教などと混ざり合い、独自のスタイルで発展してきました。
富士山のように山の上に神社が建てられることも多く、現在でも山の中にまつられている墓地がたくさんあります。
また、昔から山は仏道の修行の場としても利用されてきました。人間界と距離を置き悟りの道を開くという修行は、今でも日本各地にある霊山やその土地の神社や寺に受け継がれ、実践されています。
ところで、富士山はどの季節でも登れるのでしょうか?
実は富士山の登山道が一般向けに開放されているのは、7月初旬から9月初旬にかけての約2カ月の間のみとなっています。
この時期以外の富士登山は危ないのでやめておきましょう。特に冬場は経験者でも亡くなることもあるほど危険です。
富士山の登り方はいくつかあります。
一番下から山頂まで歩いて登るのはさすがに厳しいので、富士山の五合目(中間地点)まで車かバスで向かい、そこから登り始めるのが一般的です。
登山道は4つのルートがあり、初心者向けで一番人気がある「吉田(よしだ)ルート」(山梨県側)、登山経験者向けの「須走(すばしり)ルート」、ロングコースの「御殿場(ごてんば)ルート」、山頂までの距離が一番短い「富士宮(ふじのみや)ルート」(静岡県側)と、それぞれ特徴があります。
実は私も大学生の頃、友人達と富士山登山ツアーに参加して山頂まで登ったことがあります。
初心者の方はガイドがついているツアーに参加するのが一番安全だと思います。
実際に山道を歩いて登るのはそれほどきつくないのですが、山頂に近づくほど酸素が薄くなっていき、「高山病」(頭痛や吐き気など、酸素が少ないことが原因で出てくるさまざまな症状)になり頭がフラフラしました。
それでも山頂からみた朝日がのぼる瞬間の景色は本当に最高で、今でも忘れられません。
ただ登るだけでは物足りないという人には、山頂から噴火口をぐるりと一周する「お鉢巡り(おはちめぐり)」というコースがおすすめです。間近で火口が見られて迫力がありますよ。
五合目まで下山した後は、のんびり温泉に入って疲れ切った体を休めましょう。
最後に富士山がきれいに見える絶景スポットをいくつか紹介します。
どこにあるの? ⇒地図はこちら
富士五湖(富士山にある5つの湖)のうち2番目に大きい湖で、キャンプ場や温泉街もあるので観光客に人気のスポットです。湖に映る「逆さ富士」や、春には桜、秋には紅葉と一緒に富士山の写真を撮ることができます。
湖畔でゆっくり釣りやサイクリングを楽しみながら富士山を眺められる、何とも贅沢な時間ですね。
富士山頂までは行くことができない人でも簡単なハイキングを楽しむことができます。
最寄り駅は富士急行線「河口湖」駅ですが、静岡駅などからバスも出ています。
どこにあるの? ⇒地図はこちら
こちらは富士山のふもとにある「新倉山(あらくらやま)」という丘の中にある公園です。
展望ポイントからは左右にバランスのとれた美しい富士山を眺めることができます。
おすすめの撮影スポットは公園内にある五重塔と富士山が一緒に撮れる場所です。訪れた海外観光客の方からは、まるで京都と富士山のコラボレーションのようだ、と絶賛されているそうですよ。
緩やかなハイキングコースになっているので、頂上で富士山を眺めながらお弁当を食べるのもいいと思います。
富士急行線「下吉田」駅から徒歩20分ほどの距離です。
どこにあるの? ⇒地図はこちら
最後はこちらの富士吉田市のシンボル「金鳥居」です。道路をまたぐように建つ鳥居は、かつては富士山の信仰世界への入口であり、人間界との「境界線」としての役割を果たしていました。
鳥居の後ろには商店や家屋が建ち並び、その遥か向こうに富士山の景色が広がっています。
地元の人達の生活感が漂う風景とともに見る富士山は他では味わえない貴重な眺めです。
近くには商店街や宿泊施設もあるので、せっかくなら数日滞在して富士山の下での暮らしを体験してみるのもいいですね。
富士急行線「富士山」駅から歩いてすぐのところに金鳥居と商店街があります。
いかがでしたか?
写真や新幹線の窓から眺める富士山も素敵ですが、実際に間近で見ると富士山の迫力を肌で感じることができるはずです。
もし7月から9月の間に日本を訪れるタイミングがあれば、ぜひ富士登山にも挑戦してみてくださいね。
大阪出身のフリーランス日本語教師兼ローカルガイド。2020年に京都の魅力にハマり、2021年に移住。現在はプライベートレッスンをメインに日本語を教える傍らライティングや中日翻訳校正、オンライン体験などを企画運営している。
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